グリーン車での出張は経費になるのか
交際費同様、経費計算に関して誤解が多いのが旅費交通費です。
仕事関連の移動出かかったお金はすべて経費計上できると考えている人が多いのですが、残念ながらこちらもあくまでも「常識の範囲内」になります。
例えば取引先との商談や打ち合わせで新幹線を使う。これは何も問題ないでしょう。ここまでであれば間違いなく経費として認められます。
ですが、この際社長と部下の二人で新幹線のグリーン車に乗った際、経費として認められるのは社長だけになってしまう可能性があります。
常識の範囲内でと話したように、社長であればグリーン車に乗っても不思議なことはないでしょう。
快適さやグレード等を考えたらグリーン車に乗るのは決しておかしな話ではありません。
ですが社員となると話は別です。税務署の判断としては、普通の社員であればグリーンではなく指定席で十分なのではないか。そう考えるのです。
「やっぱりダメなのか」と考えるかもしれませんが、そこに「グリーン車でなければならない理由」があれば税務署としても経費として認めてくれます。
例えばですが、指定席や自由席がすべて埋まってしまっていた場合。とにかくその日のうちに移動しなければならないのにグリーン車以外のチケットが取れないような場合は経費として認められるでしょう。
また、社長と部下とのコミュニケーションの一環として社長に付き合わせる形でグリーン車に乗ってもらう。これもセーフでしょう。
グリーン車の方が周囲が静かなのでゆっくりとコミュニケーション出来るなど、「なぜ普通の社員がグリーン車なのか」を説明できれば経緯として認められる可能性が高まります。
旅費交通費の基準表の勧め
こうしたことで毎回のように税務署に説明するのは面倒だと感じる人も多いのではないでしょうか。
経費として認められたいとは思っても、毎回のように説明を求められるのは面倒だと感じるのであれば役員、部課長、一般従業員といったように、いくつかの等級を設定し、等級に応じてどういったクラスの交通手段を使うのかを決めておくとよいでしょう。
これらを株主総会によって決議を取るのがお勧めです。なぜなら、事務所は株主総会の判断には介入することができませんので、決められた基準に関しては「おかしい」「考えなおせ」とは言えないのです。議事録まで残しておけば尚よいでしょう。
このように、ルールを決めることで税務署から突っつかれたとしても堂々と「問題ない」と言えるのです。