経営者に必要なのは少額経費の管理意識
経営者が持っておかなければならない意識は、1つや2つではありません。それこそ無数にあるのですが、何よりもお金の管理への意識は絶対に持っておく必要があります。
その全てを経理担当者に任せてはいけませんし、経理担当者はあくまでも数字をまとめる役割に過ぎず、経営者が杜撰な意識ではどんなに良い商品やサービスを取り扱っていても、利益が増えることはないのです。
お金の管理意識の中でも意外と疎かにされがちなのが、小さな額の経費です。これを甘く見ている経営者は、必ず失敗してしまうでしょう。少額経費への意識を高め、できるだけ多くの利益を生み出す、そして多くの資金を会社に残す工夫を心がけてください。
売上や売上原価と細かな経費の違いとは
会社を経営していく上でのお金にまつわる優先順位を考えた時、どうしても売り上げや売上原価の2点に注目しがち。もちろん、間違った意識ではありません。売上原価をできるだけ下げながら、しかし売り上げを上げていくためにはどうすればいいのか、それを考えるのも経営者の役割です。
ただ、売上原価以外の経費、特に少額経費こそが、会社の利益や資金の増減に大きく関わっているのです。
その理由は、とてもシンプル。いい商品やサービスを提供しようと思えば売上原価はそれなりにかかってしまいます。ここをケチると、消費者を満足させられません。また、売り上げは後から付いてくるものであり、これもコントロールが容易ではない。
しかし、少額の経費は、経営者の意識次第で増えたり減ったりするもの。「これっぽっちの額なら経費として落とさなくても」という意識があると、それが会社の利益を大きく損ねることになりかねません。
また、管理の上でも違いがあります。
売り上げそのものは、取引先とのやり取りに使用する口座が1つあれば、その通帳内で管理が可能。売上原価に関わる、例えば仕入れなども同様に、口座を決めておけば管理は簡単。その口座から振り込むなどすれば、通帳を見ただけでお金の動きがわかります。
少額の経費は、そうはいきません。交通費、コンビニやスーパー、デパートでの買い物、打ち合わせ時に利用したカフェでの飲食代などの全てを口座を通してやり取りするのは困難。
だからこそ管理が難しく、高い意識を持っておく必要があるのです。
どんなに少額のレシートでも保管する癖を
上で紹介したような少額の支払いに対しては、必ずレシートか領収書を残しておきましょう。これが、全てお金を支払った証拠となります。コンビニなどではレシートを渡さないお店や店員もいますが、受け取る癖をつけておくこと。どんなに小さな支払いでもです。
それが1年間積み上がったら、一体どんな額になるでしょうか。数十万円に達する年もあるでしょう。それらを経費として計上しておけば所得全体の額を減らすことができるので、結果的に支払う税金の額を減らすことができます。
もし、経費として計上しなければ、かなりの額が税金として持って行かれてしまうことになるのです。なんとももったいない。
いくら税金を支払っても痛くもかゆくもなければいいでしょう。しかし、まだ莫大な資産を築き上げていない企業であれば、そんな余裕はないはず。合法的に税金の額を減らせる手段をスルーするのは得策ではありませんし、企業として賢明であるとも言えません。
だったら、少額経費を計上し節税した上で、できるだけ資産を増やし投資や商品・サービスを認知させるための宣伝などに利用するべきでしょう。