お金に関心を持つ-起業を成功させるために最も大切な事
1年間にどれくらいの方が起業をしているかご存知でしょうか?
1万件、3万件の起業くらいと思われるかもしれません。しかし実際には年間10万件もの起業が行なわれていると言われています。
ではこの10万件と言われる起業の中で、どれだけの事業が成功をしているのでしょうか?
もちろん職種などによっても割合は変わってきますが、一般的には起業される会社の1割は、倒産や休業に追い込まれています。
さらに細かく言うなら、起業した会社の約半分は5年間も営業を続けることはできず、10年単位になると9割が事業を停止しています。
起業を成功させるためにはお金にも注目すべき
新しく事業を始める時は、どんな商品やサービスを作るのか、どのように商品を宣伝していくのかという点に注目するものです。
たしかに良いサービスや商品を作り、世の中に効果的に宣伝していくことは、事業を成功させるために、しっかりと考えなければなりません。
しかし起業をして、事業を継続していくためには、良いサービスや商品を使ってもらいたいという気持ちや情熱だけでは不十分です。
どんなに良い商品やサービスがあったとしても、それを生み出すお金がないなら、商品やサービスを提供し続けることはできず、いずれ事業がストップすることになります。
職人気質はとても素晴らしいものですが、事業として成り立つために現実としてお金の事を考えなければなりません。
では起業をした方が理解すべき「お金の流れ」とはどのようなものでしょうか?
お金と経理の基本的事項
起業をした方が理解していなければならない事は、「経営とお金の関係性」です。
お金というものは、資産としての貯蓄や借入金を除いて基本的に単体で存在させる事ができないもので、常に流れている、もしくは動いているものと言えます。
つまりこれらのお金以外は、事業が動いていることによって初めて生み出されるお金であり、事業が止まった時点でお金が入ってくることはなくなります。
お金の循環(流れ)とは「サービスや商品を販売する」「売上金の回収」「原材料など仕入の支払い」「販売に関する諸経費の支払い」「残った利益」です。
このお金の流れ、つまりお金の循環をきちんと把握できていて初めて、ある程度の期間にわたって経営を行なっていくことになります。
逆に言えば、サービスや商品の販売を行えても、最終的な利益を確保できないようなお金の循環になってしまっているなら事業は遅かれ早かれ停止せざるを得ないでしょう。
実際、会社を潰してしまっている方の多くは、商品やサービスが良くても、仕入分や諸経費の支払いなどをきちんと管理していないため、利益が残っていないというケースが多くみられます。
ですからお金の循環に関して、甘い認識で事業を行うのではなく、よりシビアに管理していかなければなりません。
このような意味でも、お金に関心を持っていない方は事業を行うのは難しいと言えるでしょう。
「これから起業をしようと考えている方」「すでに起業から数年が経っている方」「売り上げの規模が数千万円という方」は、お金に関心を持ってその循環について現実的な見方を持っていなければなりません。
起業や経営に失敗してしまった方の数十%は、商品やサービスに問題があったというよりも、お金に対する関心が弱かったことが原因です。
たしかにお金や経理についての知識を得ることは簡単な事ではありません。
しかしせっかく良い商品やサービスがあるのであれば、その商品やサービスを提供し続けるために、なおさら経理についてよく学ぶようにしましょう。