契約時に会計事務所と擦り合わせておくべきこと
経理の業務を会計事務所等専門家に依頼するのは、会社としてはとてもいい判断です。しかし、会計事務所もいろいろなところがあり、すべて同じようなサービスを提供しているわけではありません。顧問契約料も異なれば、その内容も異なります。また、信頼できるか否かにも違いが出てくるでしょう。
大事なのは、契約する会計事務所の選択。安易に料金で選んでしまったり雰囲気で選択すると、後で困ってしまうかもしれません。
どのようなポイントを見ながら会計事務所を選んでいくべきなのか、また、契約する時にはどの点に注意しておけばいいのかを考えていきます。
経理の基本をレクチャーしてくれる会計事務所を選択
経理に関して深い知識を持っていないままに会社の経営に乗り出す人も多いはずです。経理を勉強しておくに越したことはありませんが、そんなことをしていては会社の設立時期が遅くなってしまうため、経理の知識がないままに会社を立ち上げることも決して間違った判断とは言えないでしょう。
しかし、だからこそ会計事務所と契約を結ぶ際には、慎重に行っておくべき擦り合わせ事項が出てくるのです。
料金プランなどの選択はもちろんですが、会計方法や経理の基準、こうしたものに関しては入念に打ち合わせをしておくようにしてください。
売り上げを計上するタイミングを例に挙げると、この認識が経営者と会計事務所とでは異なるケースがしばしば見られます。もちろん会計事務所の方が正しいのですが、経営者が正しい認識を持っていないとトラブルに発展してしまう可能性が出てくるのです。
売り上げというのは、通常、商品であればそれを納品した時点で計上されます。しかし、その商品の代金が入金された時点で売り上げを計上すると勘違いしていると、そこに齟齬が生まれ、信頼感を損ねるキッカケが生じかねません。
経営者側の理解不足が原因ですが、つまりは、そうした経理の基本等をしっかりと説明しレクチャーしてくれる会計事務所を選択しましょうということ。
売り上げに限らず、あらゆる部分に当てはまることですから、これらの擦り合わせを事前に、且つ丁寧に行える会計事務所に経理の委託をお願いするようにしてください。
月次巡回は断るべきか否か
月次巡回とは、毎月、契約している会計事務所が顧問先、つまり会社まで訪れあれこれと報告や打ち合わせ、アドバイスをする行為のことですが、これは本当に必要なものなのかという議論があります。
もし、この月次巡回にそれなりの費用がかかっており、それを毎月会計事務所や税理士事務所に支払っているのであれば、堂々と断るべきでしょう。
毎月会計事務所の人間が会社に訪れることをストレスに感じる経営者もいます。また、会社に訪れても行われるのはほぼ世間話であり、重要な話し合い等は無しというケースもしばしば。それに数万円も支払う価値があるとは到底思えません。
最初のうちは月次巡回がどのようなものか知るためにお願いしてもいいかもしれませんが、もし「必要ない」と感じたらこれを断り、それと同時に料金を安くしてもらうよう交渉してください。
これだけでも相当な節約となるはずです。規模の小さな会社であれば、なおさら削減すべき出費となるでしょう。
今ではインターネットも普及し尽くしています。会計事務所とのやりとりもメールやオンライン上で十分。それが可能な会計事務所を選択することも必要となってくるのかもしれません。
