事業計画書が完成したら必ず内容をチェック
長い時間をかけて事業計画書の作成がようやく終わると、大きな満足感を感じるものです。
しかし事業計画書は、書き終わった段階で完成ということではありません重要なのは作成が終了してからのチェック作業です。
自分以外の人に計画書をチェックしてもらう
事業計画書を作成する段階で、すでに多くの修正を行っているはずです。しかしそれでも作成が終了してから、自分以外の人に事業計画書をチェックしてもらうことは極めて重要です。
「作成終了」したからといって「完成」したわけではありません。
人が作成した事業計画書には必ず「間違い」「記入忘れ」「理解しにくい場所」「矛盾点」「整合性のなさ」といったものが存在しています。
こうした改善すべき点は、ずっと計画書を見てきた自分では気がつかないものです。
だからこそ自分以外の人に計画書を見てもらい、悪い点を探してもらう必要があります。
誤解してはいけない点は、修正場所が見つかるのは当たり前の事であり、決して自分で作った事業計画書が悪いということではありません。
チェックする人は複数必要
作成が終った事業計画書をチェックしてもらう相手は、誰が良いでしょうか?
「事業テーマに精通している人」
事業の内容についてすでに一定の理解を持っている人であれば、専門的な部分の誤りに気付いてくれる可能性があります。
統計や市場データの誤り、流通や宣伝方法の現実性、特許や商標に関する問題、想定するリスクなどについて修正点を指摘してくれるでしょう。
「事業テーマに詳しくない人」
専門的な知識を持っている人に計画書を見てもらうだけでは不十分です。
事業テーマに詳しくない人にも計画書を見てもらうことで、明瞭、簡潔、平易であるかどうかをチェックすることができます。
事業計画書にはこの3点が求められますが、専門的な知識のある方の場合は、この点に気付くのが難しくなります。分かりにくいと感じる部分を指摘してもらえるように、事前に頼んでおきましょう。
「事業計画書に詳しい人」
事業内容に対する知識には関係なく、事業計画書に詳しい人にもチェックしてもらう必要があります。基本的な事業計画書のレベルをクリアしているのか、この点を判断してもらうことができます。
自分なりに8つの項目を説明していたと思っていても、抜けている部分、重複している部分、整合性のない部分が存在しているものです。事業計画書に詳しい人であれば、こうした部分の問題に気付いてくれます。
少なくとも、こうした3タイプの人に事業計画書をチェックしてもらう必要があるでしょう。あくまで最低でも3タイプという事なので、チェック要員は多ければさらに良いということです。
チェック後の修正はまとめて行う
さきほど計画書のチェックを複数の人に行ってもらうという説明をしました。
複数の人からの指摘を受けることになりますが、チェックしてもらう度に計画書を修正する必要はありません。
修正データを蓄積してから、後でまとめて事業計画書の修正を行うようにします。
なぜその度ごとに修正しない方が良いのでしょうか?たしかにチェックした方の意見は非常に参考になるものですが、その意見が必ずしも正しいというわけではないのも事実です。
同じ修正部分であっても、修正が必要だと感じる人もいれば、修正は必要ないという方もいますので、その度ごとに変更すると修正自体が無駄になってしまう可能性があります。
ですから、まず複数の方にチェックをしてもらい、意見を蓄積して多数派の意見を採用する方が良いでしょう。しかし少数派の意見であっても、意見が的を射ているのであればきちんと採用しなければなりません。
いずれにしても、想定している全ての人にチェックをしてもらった後に、事業計画書を修正する方が効率的であり、さらに内容もより良いものとなります。
事業計画書は自分なりの完璧を目指すのではなく、大衆にどのように見られるのかという観点で完成させなければなりません。